米の表示|米トレーサビリティ法と精米表示のルール
この記事の要点(3点)
- ・ 精米パックには名称、原料玄米(産地・品種・産年)、内容量、精米時期、販売者の表示が必要(食品表示基準の個別ルール)
- ・ 米トレーサビリティ法により、米穀事業者には取引記録の作成保存と産地情報の伝達義務がある。外食の米飯にも産地伝達が及ぶ
- ・ 「〇〇産コシヒカリ100%」のような産地品種銘柄の表示には検査証明等の根拠が必要。未検査米は品種・産年を表示できない
根拠: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、米トレーサビリティ法
1. 米は表示制度が最も重層的な農産物
米は主食としての歴史的な位置づけから、 食品表示基準の個別ルール(玄米・精米の表示)と 米トレーサビリティ法という専用法の両方が適用される、 表示制度の最も重層的な農産物です。 農家の直売や小規模な精米販売でも、この枠組みの中で表示を作ります。
精米パックの表示は「原料玄米」欄が中心です。 産地、品種、産年を表示するには、 農産物検査による証明を受けた米(検査米)であることが原則で、 未検査米は「複数原料米」等の扱いになり品種や産年を表示できません。 「自分の田んぼのコシヒカリだから」という事実だけでは 品種表示の根拠にならない点が、直売農家が最初に驚くポイントです。
2. 精米パックの表示例
| 名称 | 精米 |
| 原料玄米 | 単一原料米 〇〇県産 コシヒカリ 令和7年産 |
| 内容量 | 5kg |
| 精米時期 | 2026年7月上旬 |
| 販売者 | 〇〇農園 〇〇県〇〇市〇〇1-2-3 TEL 000-000-0000 |
精米時期は「〇年〇月上旬/中旬/下旬」の旬表示が認められています。 複数の産地や品種をブレンドした場合は「複数原料米」として 産地と使用割合を記載する方式になります。 販売者には電話番号まで記載するのが米の表示の特徴です。
3. 米トレーサビリティ法の義務
米トレーサビリティ法は、米穀と米加工品(米飯、餅、団子、米菓、清酒等)を扱う 全事業者に2つの義務を課しています。
- 取引記録の作成・保存:仕入れと販売の記録(品名、産地、数量、年月日、相手方等)を原則3年保存
- 産地情報の伝達:事業者間の取引では伝票等で、一般消費者には商品や店内掲示等で産地を伝達
この義務は飲食店にも及びます。 店で出すご飯の米の産地(国産か、外国産なら国名)を メニューや店内掲示で伝えることが求められます。 おにぎりや弁当での実務はおにぎりの食品表示ラベルの書き方で扱っています。
4. 実務の注意点
「新米」と書ける期間
「新米」の表示は、収穫年の年末(12月31日)までに精米・包装されたものに 限るのが食品表示基準の運用です。 年が明けてからの「新米」表示は不当表示になります。 季節感のある訴求ほど、期限の管理を厳密にしてください。
無洗米、玄米、分づき米
無洗米はその旨の表示、玄米は名称「玄米」、 分づき米や胚芽精米にもそれぞれの表示の型があります。 精米方法のバリエーションを増やすときは、 名称と原料玄米欄の書き分けを確認してください。
よくある質問
Q. 農家が自家産米を直売するのに検査は必須ですか?
A. 販売自体に検査は必須ではありませんが、産地・品種・産年を表示したいなら 農産物検査等の根拠が原則必要です。未検査のまま売る場合は 品種・産年の表示ができない形での販売になります。
Q. 米粉にも同じ表示が必要ですか?
A. 米粉は加工食品として一括表示の対象になり、 米トレーサビリティ法の対象品目でもあるため取引記録と産地伝達の義務があります。 精米の表示様式とは別の枠組みです。
まとめ
米の表示は、検査証明を根拠とする産地・品種・産年の表示と、 全事業者に及ぶトレーサビリティの記録・伝達義務の二本柱です。 直売農家も飲食店もこの枠組みの中にいます。 「新米」の期間管理まで含め、記録と表示の一致を保ってください。
米飯商品の表示は弁当の食品表示ラベルの書き方をご参照ください。
参照法令: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、米トレーサビリティ法、農産物検査法
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