餅の食品表示ラベルの書き方|個包装餅と生餅で違う表示設計


この記事の要点(3点)

  • ・ 餅は包装形態(脱酸素剤入り個包装か、つきたての生餅か)で賞味期限が桁違いに変わる食品。売り方の設計が表示設計そのもの
  • ・ 原料のもち米には原料原産地表示が必要。「国内産水稲もち米100%」のような訴求は事実の裏付けが前提
  • ・ 製造には菓子製造業や穀類加工の届出等、商品によって扱いが分かれる。豆餅や草餅は副材料のアレルゲンにも注意

根拠: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、食品衛生法

1. 同じ餅でも期限は1日から1年まで

正月前の農家の直売所では、つきたての生餅がその日のうちに売り切れていきます。 一方スーパーの棚には、賞味期限が1年近い個包装の切り餅が並んでいます。 同じ「餅」という食品で、これほど期限の幅が出る理由は包装技術にあります。

餅は水分が多く、常温ではカビが数日で生える食品です。 つきたてをビニールで包んだだけの生餅は、消費期限が数日の世界です。 脱酸素剤を封入した個包装や無菌充填包装によって、 初めて常温で数か月から1年という賞味期限が可能になります。 自分の設備でどちらの包装ができるかが、そのまま商品設計と表示設計を決めます。 期限の種類の使い分けは賞味期限と消費期限の違いと決め方をご参照ください。

2. 必要な許可・届出

餅の製造販売は、商品によって扱いが分かれます。 大福や草餅のような菓子としての餅は菓子製造業の許可、 切り餅やのし餅のような主食用の餅は自治体によって 穀類加工等の営業届出で扱われる場合があります。 あん入りやきなこ付きにすれば菓子側に寄っていきます。 品目リストを持って管轄保健所に確認するのが確実です。 制度の全体像は食品の営業許可制度(2021年改正)の解説で扱っています。

3. 一括表示の記載例

切り餅(個包装、袋入り400g)の表示例です。

名称切り餅
原材料名水稲もち米(新潟県産)
内容量400g
賞味期限2027.7.18
保存方法直射日光、高温多湿を避けて保存してください
製造者〇〇餅店 新潟県〇〇市〇〇1-2-3

もち米には原料原産地表示が必要です。 「国内産水稲もち米100%使用」のような訴求は、輸入米や加工用米粉の混入がないことが前提で、 事実と異なれば景品表示法と食品表示法の両方の問題になります。 仕入れ記録と表示の整合を保ってください。

4. 餅特有の注意点

豆餅、草餅の副材料

黒豆入りの豆餅は大豆(推奨表示品目)、くるみ餅はくるみ(特定原材料)が入ります。 きなこ付き、あん入りも同様に副材料からアレルゲンと添加物を拾う必要があります。 プレーンな白餅の表示をコピーして展開すると、この拾い上げが漏れます。 商品ごとにレシピから表示を起こしてください。

のどに詰まらせる事故への注意喚起

餅は窒息事故が毎年報道される食品です。 「小さく切って、よくかんでお召し上がりください」のような注意表記は法的義務ではありませんが、 高齢者や子ども向けの販売では消費者への配慮として記載する事業者が増えています。 事故時に事業者の注意義務が問われる場面でも、表示の有無は判断材料になり得ます。

よくある質問

Q. 農家がついた餅を年末に直売所で売るのに許可は必要ですか?

A. 必要です。年末だけの季節販売でも、営業許可または届出(商品と自治体により区分が異なります) を持つ施設での製造が前提です。行事やイベントでの臨時営業には別の枠組みがある場合もあるため、 保健所に確認してください。

Q. 生餅の消費期限はどのくらいですか?

A. 包装と保存条件次第ですが、脱酸素剤なしの簡易包装では常温数日程度が目安になります。 カビの発生は目視で確認できるより早く進行が始まるため、 保存試験に基づいて余裕のある設定にしてください。

まとめ

餅の表示は包装技術と一体です。生餅なら短い消費期限、脱酸素剤入り個包装なら長い賞味期限と、 設備でできる包装が期限を決めます。 もち米の原料原産地、副材料のアレルゲン、窒息への注意喚起を揃えれば、表示の骨格は完成です。

和菓子全般の表示は和菓子の食品表示ラベルの書き方をご参照ください。

参照法令: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、食品衛生法


Genkaで原価計算・食品表示ラベルを自動化

レシピを入力するだけで原価率をリアルタイム計算。 食品表示法準拠のラベルPDFをワンクリックで生成できます。 初月無料トライアルで今すぐお試しいただけます。

無料で始める →

和菓子・米飯・惣菜」の他の記事

和菓子・米飯・惣菜の記事一覧を見る

餅の食品表示ラベルの書き方|個包装餅と生餅で違う表示設計 | Genka