清涼飲料水の食品表示ラベルの書き方|製造許可のハードルと表示例


この記事の要点(3点)

  • ・ ジュースやシロップ飲料の瓶詰販売には清涼飲料水製造業の営業許可が必要。食品製造業の中でも設備要件が重い部類
  • ・ 清涼飲料水には食品衛生法に基づく成分規格と製造基準(殺菌条件)があり、pH によって求められる殺菌条件が変わる
  • ・ 「ジュース」と名乗れるのは果汁100%のみ。果汁率による名称と表示のルールが定められている

根拠: 食品衛生法、食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、果実飲料の日本農林規格

1. 飲料の製造販売は参入障壁が高い

カフェの自家製レモネードシロップ、農園の搾りたてジュース。 飲料の物販は魅力的に見えますが、食品の中でも参入のハードルが高い分野です。 理由は、常温流通する飲料が過去に大きな食中毒や変敗事故を起こしてきた歴史にあり、 清涼飲料水には成分規格と製造基準(殺菌条件等)が法令で定められているためです。

pH4.0未満の酸性飲料と、pH4.0以上の低酸性飲料では求められる殺菌条件が異なり、 低酸性側はより厳しい加熱条件が必要になります。 レモネードのような酸性飲料は比較的扱いやすく、 ミルク入りや野菜系の低酸性飲料は難度が上がる、という構図を頭に入れておいてください。

2. 必要な営業許可

瓶や缶、ペットボトルに詰めた飲料の製造販売には清涼飲料水製造業の営業許可が必要です。 殺菌装置や充填設備など、菓子製造業に比べて設備要件が重く、 小規模事業者は自前製造ではなくOEM(製造委託)を選ぶことが多いのが実情です。 OEMなら製造許可は受託工場が持ち、自社は販売者として表示に関わります。 店内で作ってその場で提供するドリンクは飲食店営業の範囲であり、この規制の外です。 瓶詰めして持ち帰らせる、ECで売るという段階で線を越えます。

3. 一括表示の記載例と果汁率のルール

りんご果汁飲料(果汁50%、瓶入り)の表示例です。

名称50%りんご果汁入り飲料
原材料名りんご(青森県産)、砂糖/酸味料、ビタミンC
内容量500ml
賞味期限2027.1.18
保存方法直射日光を避け常温で保存。開栓後は要冷蔵の上お早めにお飲みください
販売者〇〇果樹園 青森県〇〇市〇〇1-2-3

果実飲料には JAS と食品表示基準による名称のルールがあり、 「ジュース」を名乗れるのは果汁100%のものだけです。 果汁10%以上100%未満は「果汁入り飲料」として果汁率を明記し、 10%未満の場合は果汁率の表示とともに「清涼飲料水」等の名称になります。 果汁率を大きく見せる表現(無果汁なのに果実の絵を大きく描く等)には 景品表示法に基づく規制(無果汁飲料等の表示に関する公正競争規約等)があります。 OEM製造の場合、上の例のように「製造者」に代えて「販売者」と製造所固有記号の組み合わせで表示する方法があります。

4. 飲料特有の注意点

未殺菌ジュースの販売は限定的

搾りたての未殺菌ジュースをその場で提供するのは飲食店営業の範囲ですが、 瓶詰めして流通させることは殺菌基準を満たさない限りできません。 「コールドプレスジュースの通販」を考える場合は、 HPP(高圧処理)などの代替殺菌技術を持つ工場への委託を含め、 規格基準を満たす製造方法を最初に検討してください。

カフェイン、アレルゲンの表示

コーヒー飲料や茶系飲料はカフェインを含みます。含有量表示の義務はありませんが、 消費者への情報提供として記載する例が増えています。 ミルク入り飲料は乳成分が特定原材料であり、 「乳飲料」「コーヒー」など乳等省令に関わる名称区分も関係します。 乳成分の扱いはアレルゲン表示完全ガイドをご参照ください。

よくある質問

Q. カフェの自家製シロップを瓶で売るには何が必要ですか?

A. 希釈して飲む濃縮シロップも清涼飲料水として扱われることが多く、 清涼飲料水製造業の許可が必要になる場合があります。 設備投資が難しければOEM委託が現実的な選択肢です。まず保健所に相談してください。

Q. 「果汁たっぷり」という表現は使えますか?

A. 果汁率の実態に合わない強調は景品表示法の問題になります。 果汁率を明記した上で、事実の範囲で訴求してください。

まとめ

飲料の製造販売は、殺菌基準と設備要件という参入障壁を最初に確認すべき分野です。 小規模ならOEM委託が現実解になることが多く、その場合も表示の設計と確認は販売者の仕事として残ります。 果汁率による名称ルールと訴求規制を守り、開栓後の案内まで含めて表示を作ってください。

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参照法令: 食品衛生法(清涼飲料水の規格基準)、食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、果実飲料の日本農林規格


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