果汁飲料の食品表示ラベルの書き方|果汁率で変わる名称のルール
この記事の要点(3点)
- ・ 「ジュース」を名乗れるのは果汁100%のみ。果汁率10%以上100%未満は「果汁入り飲料」、10%未満は果汁率を明記した清涼飲料水になる
- ・ 果汁率の低い飲料に果実の断面写真やしずく表現を使う場合の制限が公正競争規約で定められている
- ・ 濃縮還元とストレートの表示区別、搾汁方法の訴求にもルールがある
根拠: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、果実飲料の日本農林規格、果実飲料等の表示に関する公正競争規約
1. 果汁率が名称を決める
農園の採れたてりんごを搾って売る、カフェの自家製レモネードを瓶にする。 果汁を使う飲料の表示は、まず果汁率の計算から始まります。 果実飲料のJASと食品表示基準により、名称は果汁率で次のように分かれます。
| 果汁率 | 名称の例 |
|---|---|
| 100% | りんごジュース(ストレート/濃縮還元) |
| 10%以上100%未満 | 〇〇%りんご果汁入り飲料 |
| 10%未満 | 清涼飲料水(果汁〇%等を明記) |
| 無果汁 | 清涼飲料水(無果汁である旨を明記) |
「100%ジュース」という言葉が日常語として強い分、 100%未満の商品で「ジュース」を名乗ることは消費者の誤認に直結します。 はちみつレモンのような加糖飲料は、レモン果汁の割合を計算して該当区分の名称を使ってください。
2. パッケージデザインにもルールがある
果実飲料等の表示に関する公正競争規約では、 果汁率の低い飲料が果実そのもののような印象を与えることを防ぐため、 パッケージ表現に制限を設けています。 代表的なのは、無果汁や低果汁の飲料における 果実の写実的な断面図やみずみずしいしずく表現の制限です。
小規模事業者がデザイナーにラベルを発注するとき、 この規約を知らないまま「美味しそうな果実の絵を大きく」と依頼して 作り直しになる例があります。 果汁率を先に確定させ、その区分で使える表現をデザイナーと共有してから デザインに入るのが正しい順序です。 ラベル全体の設計は食品表示ラベルの作り方をご参照ください。
3. 一括表示の記載例
ストレートりんごジュース(瓶入り720ml)の表示例です。
| 名称 | りんごジュース(ストレート) |
| 原材料名 | りんご(長野県産) |
| 内容量 | 720ml |
| 賞味期限 | 2027.1.18 |
| 保存方法 | 直射日光を避け常温で保存。開栓後は要冷蔵の上お早めにお飲みください |
| 販売者 | 〇〇果樹園 長野県〇〇市〇〇1-2-3 +製造所固有記号 |
濃縮果汁を水で戻したものは「濃縮還元」、搾ったままのものは「ストレート」と 区別して表示します。 果樹園の自家搾汁ジュースは委託製造(搾汁工場への持ち込み)が多く、 その場合は販売者+製造所固有記号の形になります。 製造委託の表示は製造者・販売者・加工者表示の使い分けで解説しています。
4. 果汁飲料特有の注意点
殺菌基準は飲料共通の壁
果汁飲料も清涼飲料水の規格基準(殺菌条件)の適用を受けます。 りんごやみかんの酸性果汁は比較的扱いやすい部類ですが、 自前で殺菌充填の設備を持つのは小規模事業者には過大な投資です。 搾汁から充填までを受託する工場に委託するのが農園系ジュースの定番ルートです。 この構図は清涼飲料水の食品表示ラベルの書き方で詳しく扱っています。
オレンジ、りんご等のアレルゲン
オレンジ、りんご、キウイ、もも、バナナは推奨表示品目のアレルゲンです。 単一果汁なら名称から自明に見えますが、 ミックスジュースやスムージー系の商品では「(一部にオレンジ、りんごを含む)」の 記載を推奨します。
よくある質問
Q. 「果汁100%」と「ジュース」はどちらを書けばいいですか?
A. 果汁100%であれば名称として「〇〇ジュース」を使えます。 「果汁100%」の併記は任意ですが、事実である限り問題ありません。
Q. 複数品種のりんごをブレンドした場合、品種名は書けますか?
A. 「ふじ、シナノスイート使用」のような品種表示は、使用実態と一致していれば可能です。 特定品種を強調するなら、その品種が主体であることが前提になります。
まとめ
果汁飲料の表示は、果汁率の計算が全ての起点です。 果汁率が名称を決め、名称がパッケージ表現の自由度を決めます。 製造は委託が定番ルートのため、販売者としての表示責任と 規約に沿ったデザイン発注を押さえてください。
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参照法令: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、果実飲料の日本農林規格、果実飲料等の表示に関する公正競争規約
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