コーヒー豆・粉の食品表示ラベルの書き方|生豆生産国名の表示
この記事の要点(3点)
- ・ レギュラーコーヒーの表示には生豆生産国名の記載が求められ、業界の公正競争規約が表示実務の基準になっている
- ・ 焙煎豆の販売は許可のハードルが比較的低く、営業届出で始められる場合が多い。カフェ物販の入り口に向く
- ・ アレルゲンも栄養成分もほぼ問題にならない一方、ブレンド比率や産地の表示の正確さが独自の論点になる
根拠: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約
1. カフェ物販の第一歩としてのコーヒー豆
焼き菓子や瓶詰と並んで、コーヒー豆はカフェ物販の定番です。 水分がほとんどなく常温保存でき、アレルゲンの心配も少ない。 食品表示の観点では扱いやすい部類の商品です。
その代わり、コーヒーには業界独自の表示ルールがあります。 レギュラーコーヒーとインスタントコーヒーには公正競争規約があり、生豆生産国名の表示や「ブレンド」の表示方法などが定められています。 規約は業界団体(全日本コーヒー公正取引協議会)が運用しており、 小規模ロースターでも規約に沿った表示にしておくことが、卸先や催事出店で信頼につながります。
2. 必要な許可・届出
コーヒー生豆を焙煎して袋詰め販売する営業は、 多くの自治体で営業許可ではなく営業届出の対象とされています (コーヒー製造業として届出区分が設けられている場合があります)。 菓子製造業のような施設基準の審査と実地確認を伴う許可より始めやすいのが特徴です。 ただし、ミルク入りのコーヒーベースを作る、リキッドコーヒーを瓶詰するといった加工は 清涼飲料水製造業の許可の世界に入ります。 豆と粉に留まるか、液体に踏み出すかで難度が大きく変わることを覚えておいてください。 届出制度の位置づけは食品の営業許可制度(2021年改正)の解説で扱っています。
3. 一括表示の記載例
レギュラーコーヒー(豆、袋入り200g)の表示例です。
| 名称 | レギュラーコーヒー(豆) |
| 原材料名 | コーヒー豆(生豆生産国名:エチオピア、ブラジル) |
| 内容量 | 200g |
| 賞味期限 | 2026.10.18 |
| 保存方法 | 直射日光、高温多湿を避けて保存してください |
| 製造者 | 〇〇ロースタリー 東京都〇〇区〇〇1-2-3 |
生豆生産国名は使用量の多い順に記載します。 「エチオピア産100%」のような産地訴求をする場合は、その通りの内容である必要があります。 挽いた粉で売る場合は名称を「レギュラーコーヒー(粉)」とし、 挽き方(中挽き等)の案内を任意表示で添えるのが親切です。
4. コーヒー豆特有の注意点
賞味期限と鮮度の考え方
焙煎豆は腐敗しにくい一方、香りの劣化は焙煎直後から進みます。 賞味期限は「安全に飲める期限」ではなく「品質を保証する期限」として、 自店の包装(ガス抜きバルブ付き袋、脱酸素剤等)での風味確認に基づいて設定してください。 スペシャルティコーヒー店では焙煎日を併記して鮮度を訴求する実務も定着しています。 焙煎日表示は義務ではありませんが、期限表示と矛盾しない運用にしてください。
ブレンド名と産地の整合
「モカブレンド」のように特定の産地名や銘柄名を冠する場合、 公正競争規約ではその生豆を一定割合以上使うことが求められます。 配合変更で比率が変わったのに名称を維持すると規約違反になり得ます。 ブレンドのレシピ管理と表示の連動が、ロースターの表示実務の中心です。
よくある質問
Q. カフェで焙煎した豆を店頭で売るのに許可は必要ですか?
A. 多くの自治体では営業届出(コーヒー製造業等の区分)で始められますが、 自治体により運用が異なります。喫茶提供と物販を併設する場合の設備の考え方も含め、 管轄保健所に確認してください。
Q. ドリップバッグに加工して売る場合も同じ扱いですか?
A. 粉を不織布バッグに詰める加工までは同様に扱われることが多いですが、 加工工程が増える分、包装環境や資材の食品適合性の確認が必要です。 こちらも事前に保健所へ相談してください。
まとめ
コーヒー豆は表示の難度が低くカフェ物販の入り口に向く商品ですが、 生豆生産国名の記載とブレンド名の整合という業界固有のルールがあります。 液体加工に踏み出すと清涼飲料水製造業の許可が壁になるため、 商品展開の順序は豆と粉から始めるのが定石です。
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参照法令: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約
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