えび・かにのアレルゲン表示|甲殻類の範囲と混獲・だし経由の混入


この記事の要点(3点)

  • ・ えびとかにはそれぞれ独立した特定原材料。えびを含む商品に「かに」の表示は代用できない(逆も同じ)
  • ・ えびの範囲にはロブスター、ザリガニ類も含まれる。しゃこ、あみ、おきあみの扱いは通知の整理を確認
  • だし、シーフードエキス、小魚の混獲、かまぼこなど間接経路が多い。甲殻類アレルギーは成人にも多く重篤化しやすい

根拠: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、アレルゲン表示に関する消費者庁通知

1. えびとかには「別々の」特定原材料

えびとかには2008年に特定原材料に追加された、比較的新しい義務品目です。 この2つは独立した品目です。 えびを使った商品には「えび」、かにを使った商品には「かに」を表示し、 「甲殻類を含む」のようなまとめ書きは認められていません。

えびの範囲は広く、クルマエビ、ブラックタイガー、甘えびといった食用えび全般に加え、 ロブスターやザリガニ類も含まれます。 一方、しゃこ、あみ、おきあみは分類学上の位置づけから 通知で扱いが整理されており、義務の範囲を正確に知るには 消費者庁の通知別添を確認してください。 あみの塩辛(キムチの材料)のような境界素材を使う場合は特に重要です。

2. 間接経路の多さが甲殻類の特徴

経路具体例
だし・エキスえびだし、シーフードエキス、中華スープの素、XO醤
調味料・ペーストえび味噌、シュリンプペースト(東南アジア調味料)、桜えび粉
混獲しらす、ちりめん、小女子に混ざるえびかにの幼生
練り製品えび入りかまぼこ、かに風味かまぼこ(本物のかにを含む製品もある)

かに風味かまぼこ(カニカマ)は原則すり身製品ですが、 かにエキスを加えた製品もあり、規格書の確認が必要です。 しらすの混獲情報の実務は乾物・干物の食品表示ラベルの書き方で扱った通りです。

3. 混獲と意図的使用の表示の違い

えびかにの表示には2つの位相があります。 原材料として使った場合は義務表示(「(一部にえびを含む)」)、 混獲のように意図せず混入し得る場合は 注意喚起表示(「えび、かにが混ざる漁法で採取しています」)です。

この区別は責任の構造を反映しています。 意図的使用は配合の事実として断定的に表示し、 混入可能性は可能性として書く。 可能性しかないものを義務表示欄に書き込むと、 かえって義務表示の信頼性を損ないます。 この設計原則はアレルゲンのコンタミネーション対策で詳しく解説しています。

4. 飲食店とECでの実務

甲殻類アレルギーは成人発症が多く、重篤な症状につながりやすいことが 知られています。外食での事故リスクが高いアレルゲンです。 飲食店では、えびだしを使ったスープや、 えびを揚げた油の使い回しなど、メニュー表記に現れない経路を スタッフが説明できる体制が求められます。 外食のアレルゲン情報提供は飲食店のアレルゲン情報提供をご参照ください。

よくある質問

Q. 「甲殻類アレルギーの方はご注意ください」とまとめて書けますか?

A. 注意喚起の文言としては使えますが、義務表示としては 「えび」「かに」をそれぞれ表示する必要があります。 まとめ書きは義務表示の代わりになりません。

Q. えびの殻から作るキチン・キトサンも表示対象ですか?

A. 甲殻由来の素材は通知で扱いが整理されています。 使用する場合は規格書の由来情報と最新の通知を確認してください。

まとめ

えびとかにの表示は、独立した2品目であること、 ロブスターやザリガニまで含む範囲、 だしと混獲という間接経路の管理が柱です。 意図的使用は義務表示、混入可能性は注意喚起という位相の違いを保ち、 重篤化しやすいアレルゲンとして拾い漏れゼロを目指してください。

アレルゲン表示の全体像はアレルゲン表示完全ガイドをご参照ください。

参照法令: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、食品表示基準について(消費者庁通知)


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