EC商品ページの法令チェック|公開前に見る7つの観点
この記事の要点(3点)
- ・ EC商品ページは広告であり表示。景表法・健康増進法・薬機法・特商法・食品表示の5法令が同時に見ている
- ・ 公開前チェックの型は7観点のリスト化(訴求・比較・健康・写真・価格・情報・条件)。属人の勘でなくリストで見る
- ・ 迷う表現は「事実+出典に置き換えられるか」で判定する。置き換えられない形容は削るのが安全
※ 本記事は一般的な整理です。個別判断は専門家・行政窓口へ。
1. ページは5つの法令に見られている
EC商品ページの文章と写真は、買い手にとっての売り場であると同時に、 法令上は広告・表示物です。関わる主な法律を整理すると次の通りです。
- 景品表示法:優良誤認(品質の誇大)・有利誤認(価格の見せかけ)
- 健康増進法:健康保持増進効果の虚偽誇大表示
- 薬機法:医薬品的な効能効果の標榜
- 特定商取引法:事業者情報・取引条件の表示(特定商取引法表示)
- 食品表示法(の趣旨):ページの情報と現物表示の整合(ECのアレルゲン情報提供)
2. 公開前チェックの7観点
- 訴求語:「無添加」「最高級」「日本一」に根拠はあるか。 無添加系は不使用表示ガイドラインに沿っているか
- 比較:「他社より」「通常の2倍」の比較対象と根拠は明示できるか
- 健康:「痩せる」「免疫」「腸活で健康に」等の効能に踏み込んでいないか (制度の枠は機能性表示食品制度参照)
- 写真:盛り付け・サイズ感が実物と乖離していないか。 イメージカット(付け合わせ等)には「調理例」の注記があるか
- 価格:二重価格(通常価格の実在性)、送料の見せ方、 定期購入の条件(食品サブスクの運営)は明確か
- 商品情報:原材料・アレルゲン・内容量・期限目安・保存方法が 現物表示と一致しているか
- 取引条件:特商法ページへの導線、返品特約、発送日数の明示
3. 「事実+出典」置き換えテスト
表現に迷ったら、一つの判定法が使えます。 その主張を事実と出典に置き換えられるかです。
- 「最高級のバター」→置き換え可:「発酵バター(〇〇社製)を使用」。使う
- 「体に優しいお菓子」→置き換え不可(何がどう優しいのか事実にできない)。削る
- 「砂糖50%カット」→置き換え可:「当社従来品比。従来品〇g/本→本品〇g/本」。根拠併記で使う
置き換えられない形容は、消費者の誤認リスクと行政指摘リスクを 抱えたまま働く言葉です。事実の言葉は地味に見えて、 レビューとの乖離を生まないため長期的には売る力があります。 「期待通りだった」というレビューは、 誇張のないページだけが生み出せる最強の販促文です。
4. 運用: ページも「変更管理」の対象
チェックは公開時の一度きりでは足りません。 リニューアルによる原材料変更、キャンペーンでの価格表示、 レビュー引用の追加。ページは生き物であり、 変更のたびに7観点の該当箇所を見る運用が必要です。 レシピ・表示・ページを連動させる変更管理はレシピの標準化と表示の台帳化で扱った仕組みの一部として組み込んでください。
よくある質問
Q. お客様の声(レビュー)の引用に注意点はありますか?
A. 実在しない声の創作は論外として、実在レビューでも 効能をうたう内容(「これで痩せました」等)の引用は 事業者の表示として扱われ得ます。健康系の声の引用は避けるのが安全です。
Q. モール側の審査を通れば安心ですか?
A. モール審査は最低限のフィルタであり、法令適合の保証ではありません。 行政の措置は出店者に向かいます。自分のチェックリストを持つことが本質です。
まとめ
EC商品ページの法令チェックは、5法令の視線を7観点のリストに落とし、 「事実+出典」置き換えテストで迷いを裁く運用に集約できます。 派手な形容ではなく検証可能な事実で売る。 それが行政リスクとレビュー乖離の両方から店を守る文章術です。
強調表示の基準は栄養強調表示のルールをご参照ください。
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