内容量表示と計量法|特定商品の量目公差と計り方


この記事の要点(3点)

  • ・ 内容量表示は食品表示基準の義務。加えて多くの食品は計量法の「特定商品」に該当し、正確な計量と量目公差(許容誤差)の遵守が求められる
  • ・ 量目公差は不足側にだけ適用される。表示量より多い分には制限がないが、少ない場合は法定の範囲内でなければならない
  • 風袋(容器や包装紙)を含めて計ってはいけない。中身だけの量が表示量を満たす必要がある

根拠: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、計量法

1. 内容量表示は2つの法律が重なる領域

「内容量150g」という一行の裏には、2つの法律が重なっています。 食品表示基準は内容量の表示を義務づけ、 計量法は政令で定める特定商品(食肉、野菜加工品、菓子、パン、惣菜など 多くの食品が該当)について、 正確な計量(法定計量単位での表記と量目公差の遵守)を求めます。

個数で数えられる食品(クッキー10枚等)は個数表示が認められる一方、 グラム表示を選んだ瞬間に計量法の世界に入ります。 「だいたい150gだから150gと書く」という運用は、 不足していれば計量法違反(量目不足)になり、 自治体の計量検査で指摘される事項です。

2. 量目公差の考え方

量目公差は、表示量に対して許される不足の上限です。 たとえば表示量100gを超え500g以下の食品では2%が目安になるなど、 表示量の帯ごとに公差が定められています(具体の数値は計量法の特定商品ごとの 規定を確認してください)。

公差は不足側にしか適用されない点に注意してください。 多めに入れる分には違反になりません。 このため実務では、表示量ちょうどを狙うのではなく、 充填のばらつきを見込んでやや多めを狙って充填するのが定石です。 ばらつきの大きい手作業充填ほど、余裕を大きく取る必要があります。

3. 実務の計量ルール

風袋を除く

内容量は中身だけの量です。瓶、袋、トレー、包み紙、乾燥剤の重さを含めてはいけません。 はかりの風袋引き機能(テア機能)を使い、 容器を載せてゼロリセットしてから中身を計ってください。 ジャムの瓶詰やピクルスのような液入り商品では、 固形量の表示が求められる場合もあります。この論点はピクルスの食品表示ラベルの書き方で扱っています。

検定付きはかりを使う

取引や証明のための計量には、計量法の検定に合格したはかり (検定証印等の付いた「取引証明用」のはかり)の使用が義務づけられています。 家庭用のキッチンスケールは取引証明用ではないものが多く、 商品の計量に使うことはできません。 また、取引証明用はかりは2年ごとの定期検査の受検が必要です。

乾燥や吸湿による変化を見込む

焼き菓子やパンは、製造直後から水分が抜けて軽くなっていきます。 充填時に表示量を満たしていても、店頭で計ると不足している、 という事態は乾燥しやすい食品で実際に起こります。 流通期間中の重量変化を見込んだ充填量の設計が必要です。

4. 表示の書き方

内容量は、重量(g、kg)、体積(ml、L)、または個数等で、 単位を明記して記載します。 「1個」「2人前」のような表示が認められる食品もあります。 固形物と液部からなる商品は固形量と内容総量、 複数個入りは「10枚」「12個(240g)」のような併記が親切です。 表示欄の構成は食品表示ラベルの作り方をご参照ください。

よくある質問

Q. 手作りクッキーの詰め合わせは「g」と「枚」のどちらで書くべきですか?

A. 個数で管理できる商品なら「10枚」のような個数表示が簡単で、 重量ばらつきのリスクも避けられます。 グラム表示を選ぶ場合は量目公差の管理が必要になります。

Q. 家庭用のデジタルスケールで計量してはいけませんか?

A. 販売する商品の計量(取引のための計量)には検定付きの取引証明用はかりが必要です。 家庭用スケールは試作や仕込みの目安には使えますが、 表示量を決める計量には使えません。

まとめ

内容量表示は、食品表示基準の表示義務と計量法の量目管理が重なる領域です。 風袋を除き、検定付きはかりで、公差の不足側を出さないよう やや多めに充填する。乾燥による目減りも見込む。 この運用を仕組みにすれば、量目の指摘を受けることはまずありません。

原価計算では表示量でなく実充填量を使うことも忘れないでください。詳しくはレシピ原価計算の基礎をご参照ください。

参照法令: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、計量法


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