ドライフルーツの食品表示ラベルの書き方|無添加と亜硫酸塩の分かれ道


この記事の要点(3点)

  • ・ 市販ドライフルーツの多くには漂白剤・酸化防止剤(亜硫酸塩)や植物油が使われており、仕入れ品の規格書確認が表示の出発点
  • ・ 国産果実の自家乾燥品は営業届出で始めやすいが、半生タイプ(セミドライ)は水分が多くカビリスクが別次元
  • ・ キウイ、もも、りんご、バナナ、オレンジなど果物それ自体が推奨アレルゲン品目であるケースが多い

根拠: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、食品衛生法

1. 「ドライフルーツ=無添加」ではない

ドライフルーツはナチュラルな健康食品というイメージで売られますが、 流通している商品の多くには添加物が使われています。 あんずやレーズンの色を保つ漂白剤、酸化防止剤(二酸化硫黄、亜硫酸塩)、 レーズンの固着を防ぐ植物油、甘みを補う砂糖やシロップ漬け加工。 これらは仕入れた原料の規格書を見なければ分かりません。

自店でグラノーラや焼き菓子の材料としてドライフルーツを使う場合も、 原料由来の添加物(キャリーオーバーに当たらないもの)は表示に載ってきます。 「ドライフルーツを混ぜただけだから表示はシンプル」という想定は、 規格書を開いた瞬間に崩れることが多いのです。

2. 必要な許可・届出

果実を乾燥させて袋詰めする営業は、多くの自治体で営業届出の対象です。 砂糖漬けにしてから乾かすコンフィ系、チョコがけなどの二次加工をすると菓子製造業の許可の範囲に入っていきます。 農家の6次化商品として人気の分野ですが、 乾燥の程度(フルドライかセミドライか)で衛生リスクが大きく変わる点に注意してください。 乾燥品全般の枠組みは乾物・干物の食品表示ラベルの書き方で解説しています。

3. 一括表示の記載例

国産りんごのドライフルーツ(袋入り50g)の表示例です。

名称乾燥果実(りんご)
原材料名りんご(青森県産)(一部にりんごを含む)
内容量50g
賞味期限2026.10.18
保存方法直射日光、高温多湿を避けて保存してください。開封後は要冷蔵
製造者〇〇果樹園 青森県〇〇市〇〇1-2-3

りんご、オレンジ、キウイ、もも、バナナといった主要な果物は アレルゲンの推奨表示品目です。 原材料が果物1品目でも「(一部に〇〇を含む)」の記載を推奨します。 輸入ドライフルーツを小分けする場合は、 原料規格書から亜硫酸塩や植物油を確認して添加物欄に反映してください。

4. ドライフルーツ特有の注意点

セミドライのカビリスク

しっとり食感のセミドライフルーツは水分活性が高く、 フルドライの感覚で期限を設定するとカビが生えます。 脱酸素剤の封入、アルコール製剤の併用、要冷蔵化など、 水分に応じた保存設計が必要です。 「同じ果物の乾燥品」でも乾燥度で別商品と考えてください。

砂糖不使用と糖度の表現

「砂糖不使用」は加糖していない事実の表示として使えますが、 果物由来の糖は濃縮されて高糖度になっています。 「低糖質」「ヘルシー」のような印象と実際の栄養成分がずれると 景品表示法や健康増進法の問題になり得ます。 栄養成分表示の数字と整合する範囲で訴求してください。 強調表示のルールは栄養強調表示のルールで解説しています。

よくある質問

Q. 規格外果実の活用としてドライフルーツを作りたいのですが、何から始めますか?

A. 乾燥設備と包装形態を決めた上で、管轄保健所に届出区分を確認するのが最初の一歩です。 並行して、乾燥度ごとの保存試験で期限の根拠を作ってください。

Q. 輸入レーズンを小分けして売る場合、原産地はどう書きますか?

A. 原料原産地として原産国名(例:アメリカ産)を記載します。 規格書に記載された原産国と、植物油等の使用の有無を転記してください。

まとめ

ドライフルーツの表示は、原料規格書からの添加物転記、果物自体のアレルゲン、 乾燥度に応じた期限設計の3点で構成されます。 「ナチュラルだから表示も簡単」という思い込みを規格書の確認で置き換えることが、 この商品分野の表示実務の核心です。

ドライフルーツを使う商品はグラノーラの食品表示ラベルの書き方もご参照ください。

参照法令: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、食品衛生法


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