ナッツ加工品の食品表示ラベルの書き方|くるみ義務化後の表示実務
この記事の要点(3点)
- ・ くるみは特定原材料(表示義務)、アーモンドやカシューナッツは推奨表示品目。ナッツ商品はアレルゲン表示が商品の中心課題
- ・ 素焼きナッツの小分けは届出で始めやすいが、味付けやキャラメリゼは菓子製造業の許可側に寄る
- ・ ナッツの敵は油脂の酸化。期限設定と包装(遮光、脱酸素)が品質の生命線になる
根拠: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、食品衛生法
1. ナッツはアレルゲン表示の主戦場になった
ミックスナッツ、ハニーナッツ、ナッツのはちみつ漬け。 健康志向とおつまみ需要でナッツ商品は安定した人気があります。 そして表示の観点では、ナッツはこの数年で最も制度が動いた分野です。
木の実類のアレルギーが国内で増加し、 くるみは推奨表示から特定原材料(表示義務)へ格上げされました。 現在の特定原材料は9品目です。 カシューナッツ、アーモンド、マカダミアナッツなどは推奨表示品目に位置づけられており、 制度は木の実類の実態に合わせて見直されています。 ナッツを扱う事業者は、この動きを追いかけ続ける必要があります。 品目の一覧と経緯はアレルゲン推奨表示品目の解説をご参照ください。
2. 必要な許可・届出
生ナッツや素焼きナッツを小分け包装する営業は、 多くの自治体で営業届出で扱われます。 ローストに調味を加える(塩味、キャラメリゼ、チョコがけ)と菓子製造業の許可の範囲に入っていきます。 はちみつ漬けのような瓶詰は密封包装食品製造業との関係も出てきます。 「素材のまま売るか、加工するか」で難度が変わる構図はコーヒー豆の食品表示ラベルの書き方と同じです。
3. 一括表示の記載例
ミックスナッツ(袋入り150g)の表示例です。
| 名称 | ミックスナッツ |
| 原材料名 | アーモンド(アメリカ産)、カシューナッツ、くるみ、マカダミアナッツ(一部にくるみ、アーモンド、カシューナッツ、マカダミアナッツを含む) |
| 内容量 | 150g |
| 賞味期限 | 2026.11.18 |
| 保存方法 | 直射日光、高温多湿を避けて保存してください |
| 加工者 | 〇〇ナッツ 東京都〇〇区〇〇1-2-3 |
くるみは義務、他のナッツは推奨と根拠が違っても、 表示の上では「(一部に〇〇を含む)」の形でまとめて書けます。 はちみつ漬けにする場合は、1歳未満の乳児に与えない旨の注意表記が加わります。 この論点ははちみつの食品表示ラベルの書き方をご参照ください。
4. ナッツ特有の注意点
酸化との戦いとしての期限設定
ナッツは油脂の塊であり、光と酸素で酸化が進みます。 酸化したナッツは油臭くなり、品質クレームの主因になります。 遮光性のある包材、脱酸素剤、窒素充填といった包装の工夫が そのまま賞味期限の長さに反映されます。 ロースト後の放置時間も酸化を進めるため、製造工程の設計も期限の一部です。 期限設定の考え方は賞味期限と消費期限の違いと決め方で解説しています。
コンタミネーション情報の設計
複数のナッツを同じ設備で加工する事業者は、 品目ごとの切り替え洗浄をしても微量の混入が避けられない場合があります。 「本品製造工場では、くるみを含む製品を製造しています」のような 注意喚起の書き方と限界はアレルゲンのコンタミネーション対策で扱っています。
よくある質問
Q. ピーナッツはナッツ類の表示ルールと同じですか?
A. 落花生(ピーナッツ)は木の実ではなく豆類ですが、 アレルゲンとしては特定原材料(表示義務)です。 ミックスナッツに含める場合は必ず表示してください。
Q. 輸入ナッツの原産地はどう書きますか?
A. 最も多く使う原材料に原料原産地表示が必要で、輸入品は原産国名を記載します。 仕入れロットで産地が変わる場合の書き方(又は表示等)は使用実績の根拠が求められます。
まとめ
ナッツ商品の表示は、くるみの義務化に代表される制度の動きへの追随と、 酸化を抑える包装、コンタミ情報の設計が中心です。 素材売りから味付け加工に進むほど許可の要件も上がるため、 商品展開の順序を決めて保健所に確認してから進めてください。
ナッツを使う菓子の表示はクッキーと焼き菓子の食品表示ラベルの書き方をご参照ください。
参照法令: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、食品衛生法
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