冷凍食品の食品表示ラベルの書き方|凍結前加熱の有無と加熱調理の要否


この記事の要点(3点)

  • ・ 冷凍食品には通常の一括表示に加えて「凍結前加熱の有無」と「加熱調理の必要性」という冷凍食品特有の表示事項がある
  • ・ 保存方法は-18℃以下の表示が基本。冷凍で日持ちしても賞味期限の設定根拠は必要
  • ・ 飲食店メニューの冷凍販売転換には冷凍食品製造業等の営業許可が必要になる場合が多い

根拠: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、食品衛生法

1. 冷凍食品にだけある2つの表示事項

店の看板メニューを冷凍してECで売る。コロナ禍以降、多くの飲食店が挑戦した販路です。 このとき、通常の加工食品の表示に加えて、冷凍食品特有の表示事項が2つ加わります。

  • 凍結前加熱の有無:凍結させる直前に加熱されたものかどうかを 「加熱してありません」「加熱してあります」のように記載します。
  • 加熱調理の必要性:飲食に供する際に加熱を要するかどうかを 「加熱してお召し上がりください」のように記載します。

この2つは消費者の調理判断と食中毒防止に直結する情報で、 「凍結前に加熱済みだが、食べる前にも加熱が必要」といった組み合わせを正確に伝えるための仕組みです。 唐揚げのように揚げてから凍結する商品と、成形しただけで凍結する商品では記載が変わります。

2. 必要な営業許可

冷凍食品を製造して販売するには、冷凍食品製造業または複合型冷凍食品製造業の許可が代表的な区分です。 飲食店が調理済み食品を冷凍して販売する場合も、 店内飲食向けの飲食店営業許可だけでは足りないのが原則で、 規模や方法によって必要な許可が変わります。 「テイクアウトの延長」と考えず、冷凍販売を始める前に管轄保健所へ相談してください。 許可制度の全体像は食品の営業許可制度(2021年改正)の解説で扱っています。

3. 一括表示の記載例

冷凍餃子(袋入り)の表示例です。

名称冷凍餃子
原材料名野菜(キャベツ(国産)、にら、玉ねぎ)、豚肉、餃子の皮(小麦粉、食塩)、しょうゆ、ごま油、にんにく(一部に小麦、豚肉、ごま、大豆を含む)
添加物調味料(アミノ酸等)
内容量12個(240g)
賞味期限2026.10.18
保存方法-18℃以下で保存してください
凍結前加熱の有無加熱してありません
加熱調理の必要性加熱してお召し上がりください
製造者〇〇餃子房 東京都〇〇区〇〇1-2-3

複合原材料(餃子の皮)の内訳や、野菜のまとめ書きなど、 原材料欄の書き方の原則は原材料名の記載順序のルールをご参照ください。

4. 冷凍食品特有の注意点

「冷凍だから期限は適当でいい」は誤り

-18℃以下では微生物は増殖しませんが、油脂の酸化や乾燥(冷凍焼け)、風味の劣化は進みます。 賞味期限は品質保持の期限として、保存試験や官能確認に基づいて設定してください。 家庭用冷凍庫は開閉で温度が変動するため、流通用の設定をそのまま長くできない事情もあります。

配送中の温度管理

EC販売ではクール便(冷凍タイプ)の利用が前提になります。 再冷凍は品質と安全の両面で問題を起こすため、 「解凍後の再冷凍はお避けください」の案内も定着した実務です。 配送形態と梱包(ドライアイス、保冷材)の設計は商品仕様の一部と考えてください。

よくある質問

Q. 店の料理を冷凍しただけでも「冷凍食品」の表示が必要ですか?

A. 容器包装に入れて冷凍状態で販売するなら、冷凍食品としての表示事項 (凍結前加熱の有無、加熱調理の必要性、-18℃以下の保存方法)を含む一括表示が必要です。

Q. 冷凍食品の賞味期限は1年に設定できますか?

A. 設定できるかは商品次第です。油脂の酸化や冷凍焼けなどの品質劣化を保存試験で確認し、 根拠のある期間を設定してください。市販品の期限の流用は根拠になりません。

まとめ

冷凍食品の表示は、凍結前加熱の有無と加熱調理の必要性という特有事項を軸に、 -18℃以下の保存方法、根拠ある賞味期限で構成されます。 飲食店の冷凍販売転換では営業許可の確認が最初の関門です。 配送温度帯まで含めて商品設計と考えてください。

冷凍販売の値付けと原価はレシピ原価計算の基礎をご参照ください。

参照法令: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、食品衛生法


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