プラントベース食品の表示|大豆ミートと代替食品の名称ルール


この記事の要点(3点)

  • ・ 大豆ミート等のプラントベース食品は「肉ではない」ことが明確に分かる名称で表示する。消費者庁が表示の考え方を公表している
  • ・ 「ヴィーガン対応」をうたうなら動物性原料の完全排除とコンタミ管理が問われる。認証(ヴィーガン認証等)は民間制度
  • ・ 大豆ミートにはJAS規格(大豆ミート食品類)が2022年に制定され、大豆たんぱく含有率等の基準がある

根拠: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、大豆ミート食品類のJAS、景品表示法

1. 「肉と誤認させない」が第一原則

大豆ミートのハンバーグ、オーツミルク、植物性チーズ。 プラントベース市場の拡大とともに、 「動物性食品の名前を借りた植物性食品」の表示ルールが整理されてきました。 消費者庁は、プラントベース食品について畜産物や水産物と誤認されないよう、植物性である旨を明確に表示するという考え方を示しています。

「大豆ミート」「ソイパティ」「植物性ミルク」のように、 植物由来であることが名称や近接表示から読み取れる設計が求められます。 逆に、パッケージ全体が精肉や乳製品にしか見えないデザインで 小さく「植物性」と書くような設計は、誤認リスクを高めます。

2. 大豆ミートのJAS規格

2022年に大豆ミート食品類のJASが制定され、 「大豆ミート食品」(大豆たんぱく質含有率10%以上、動物性原材料不使用等)と 「調製大豆ミート食品」(動物性原材料の一部使用を許容)の区分が定められました。 JAS認証を受ければ規格名称とJASマークを表示できます。

この規格の重要な点は、「大豆ミート食品」を名乗るには 動物性原材料不使用が条件になることです。 つなぎに卵白、風味づけにチキンエキスを使った商品は 「大豆ミート食品」のJAS名称は使えません(調製側の区分になります)。 ヴィーガン需要を狙うなら、この線引きが商品設計の分岐点になります。

3. ヴィーガン・ベジタリアン対応の主張

「ヴィーガン対応」に公的な定義や義務表示はなく、民間認証 (NPO等によるヴィーガン認証)と事業者の自主主張で成り立っています。 主張するなら次の3層の管理が問われます。

  • 配合:動物性原料ゼロ。だし(かつお)、はちみつ、ゼラチン、乳糖、卵殻カルシウムなどの見落としやすい動物性素材まで排除
  • 製造工程:動物性を扱う設備とのコンタミ管理。共用ラインなら「同一設備で〜」の情報提供
  • 添加物・加工助剤:動物由来の乳化剤や清澄剤(ゼラチン等)の確認

宗教的、倫理的な理由で選ぶ消費者にとって、誤表示は深刻な裏切りになります。 アレルギー対応と同様、裏付けのない主張を避け、 事実(不使用の範囲、コンタミの可能性)を書く姿勢が信頼を作ります。 コンタミ情報の設計はアレルゲンのコンタミネーション対策をご参照ください。

4. 表示実務のポイント

大豆はアレルゲン、小麦グルテンにも注意

プラントベース=アレルギーに優しい、ではありません。 大豆は推奨表示品目のアレルゲンであり、 グルテンで作るセイタン(麩系の代替肉)は小麦そのものです。 ナッツベースのチーズ代替品はナッツアレルゲンの塊です。 健康的なイメージとアレルゲン管理は別問題として扱ってください。

「ミルク」「チーズ」の名称使用

乳等省令により「牛乳」「ミルク」等の名称には制約があり、 植物性飲料は「オーツ飲料」「豆乳」のような名称が基本です (「オーツミルク」は通称としての使用が広がっていますが、 一括表示の名称欄では飲料区分に沿った名称を使います)。 乳の名称ルールは乳・乳製品の表示特例で解説しています。

よくある質問

Q. 「ヴィーガン対応」と書くのに認証は必要ですか?

A. 法的には不要ですが、動物性原料の完全排除とコンタミ管理の裏付けが必要です。 販路や顧客層によっては民間のヴィーガン認証がある方が信頼されます。

Q. 大豆ミートの唐揚げを「唐揚げ」として売ってもいいですか?

A. 「大豆ミート唐揚げ」「ソイ唐揚げ」のように植物性であることが 名称から分かる表示にしてください。鶏肉の唐揚げと誤認される売り方は 景品表示法の問題になり得ます。

まとめ

プラントベース食品の表示は、「動物性食品と誤認させない名称」と 「植物性という主張の裏付け」の2本柱です。 大豆ミートJASという公的規格の区分を理解し、 ヴィーガン対応は配合、工程、添加物の3層で裏付けてから主張してください。 大豆や小麦のアレルゲン管理は従来通り必要です。

大豆の遺伝子組換え表示は遺伝子組換え表示のルールをご参照ください。

参照法令: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、大豆ミート食品類のJAS、景品表示法


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