栄養機能食品の表示ルール|届出不要で機能を表示できる唯一の枠組み
この記事の要点(3点)
- ・ 栄養機能食品はビタミン、ミネラル等の指定成分が規格基準内なら、届出も許可もなしに定められた機能表示ができる自己認証型の制度
- ・ 表示できるのは成分ごとに決められた定型文のみ。文言のアレンジは認められない
- ・ 定型文とセットで注意喚起表示や1日摂取目安量などの義務表示が発生する。「いいとこ取り」はできない
根拠: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)
1. 唯一の「手続きなし」機能表示
保健機能食品の3区分(トクホ、機能性表示食品、栄養機能食品)のうち、 許可も届出も不要なのは栄養機能食品だけです。 仕組みは規格基準型の自己認証で、 対象成分(ビタミン13種、ミネラル6種、n-3系脂肪酸)の含有量が 1日摂取目安量あたりの上下限の基準内に収まっていれば、 その成分について定められた栄養機能表示ができます。
たとえばビタミンCなら「ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、 抗酸化作用を持つ栄養素です」という定型文です。 この文言は食品表示基準で固定されており、 「お肌にうれしい」のような言い換えは栄養機能表示としては認められません。
2. 定型文とセットになる義務表示
栄養機能食品を名乗ると、次の表示が義務になります。
- 「栄養機能食品(ビタミンC)」のような区分と成分名の表示
- 栄養成分の量と1日摂取目安量あたりの栄養素等表示基準値に占める割合
- 1日当たりの摂取目安量
- 摂取の方法と摂取をする上での注意事項(定型文)
- 「本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません」等の注意喚起
- 「本品は、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません」
つまり、機能の定型文という「利益」には、 注意喚起と摂取目安の「責任」がセットで付いてきます。 パッケージの表示面積をかなり使う制度であることは知っておいてください。 表示面積の設計は食品表示の文字サイズのルールをご参照ください。
3. どんな食品で使えるか
栄養機能食品はサプリメント形状に限らず、 一般的な加工食品や生鮮食品でも使えます。 鉄を強化したグミ、カルシウム入りウエハース、 葉酸の栄養機能を表示した卵など、通常の食品での活用例があります。
小規模事業者にとっての使いどころは、 もともと対象成分を豊富に含む、または強化しやすい商品です。 ただし、含有量が基準の上下限に収まることを 製造ロットを通じて担保する品質管理が前提になります。 「だいたい入っているはず」ではなく、分析または配合計算で 含有量を管理できる体制を作ってから名乗ってください。 栄養成分の計算は栄養成分表示の計算方法で解説しています。
4. 誤用しやすいポイント
定型文の切り貼り
定型文の一部だけを抜き出して「皮膚や粘膜の健康維持に」とだけ書く、 別の成分の文言を流用するといった改変は認められません。 成分ごとの文言を食品表示基準の別表で確認し、そのまま使ってください。
対象外成分への流用
乳酸菌、ポリフェノール、コラーゲンなどは栄養機能食品の対象成分ではありません。 これらの機能を表示したいなら機能性表示食品の届出が必要です。 対象成分の一覧は消費者庁の資料で確認できます。 制度全体の使い分けは機能性表示食品制度の基礎をご参照ください。
よくある質問
Q. 栄養機能食品を名乗るのに費用はかかりますか?
A. 許可申請や届出の費用はかかりません。 ただし含有量を担保するための分析費用や品質管理のコストは必要です。
Q. 「ビタミンC入り」とだけ書く場合も栄養機能食品の義務表示が必要ですか?
A. 栄養機能食品を名乗らず、含有の事実だけを書く場合は栄養強調表示のルール (含有量の基準等)に従います。機能の定型文を書きたい場合に栄養機能食品の枠組みを使います。
まとめ
栄養機能食品は、手続きなしで機能を表示できる唯一の枠組みですが、 使えるのは指定成分の定型文だけで、注意喚起等の義務表示がセットになります。 含有量を管理できる品質体制を整えた上で、 定型文をそのまま使うことが制度活用の条件です。
含有量の強調(「たっぷり」「豊富」)は栄養強調表示のルールをご参照ください。
参照法令: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)
Genkaで原価計算・食品表示ラベルを自動化
レシピを入力するだけで原価率をリアルタイム計算。 食品表示法準拠のラベルPDFをワンクリックで生成できます。 初月無料トライアルで今すぐお試しいただけます。
無料で始める →