野菜の歩留まり率|皮と芯を引いた「本当のグラム単価」


この記事の要点(3点)

  • ・ 野菜の原価は仕入れ単価÷可食部率(廃棄率を引いた割合)で計算する。玉ねぎと大根では「本当のグラム単価」の目減り方が違う
  • ・ 可食部率の目安は食品成分表の廃棄率データから得られる。自店の切り方での実測が最も正確
  • ・ 歩留まりは切り方と用途の設計で改善できる。皮・芯・端材の活用(だし、まかない、ピクルス)は原価低減そのもの

※ 廃棄率は品種・サイズ・調理法で変わります。数値は成分表の目安です。

1. 100円のキャベツは100円ではない

1玉100円、1kgのキャベツ。グラム単価は0.1円に見えます。 しかし外葉と芯を除いた可食部が850gなら、 使える部分のグラム単価は約0.12円、2割増しです。 レシピの原価計算で仕入れ単価をそのまま使うと、 この目減り分だけ原価を過小評価します。

可食部単価の式

可食部のグラム単価 = 仕入れグラム単価 ÷ 可食部率

例: 0.1円/g ÷ 0.85 ≒ 0.118円/g

この補正の考え方は歩留まり率を考慮した原価計算で解説した枠組みです。本記事では野菜に特化して実務を整理します。

2. 廃棄率データの入手と実測

日本食品標準成分表には食品ごとの廃棄率(通常の調理で取り除く部分の割合)が収載されています。 大根の皮と葉、ピーマンのヘタと種、ブロッコリーの茎の扱いなど、 「標準的な下処理」での目安が分かります。

ただし成分表の廃棄率は標準値であり、 自店の切り方(皮を厚く剥くか、茎まで使うか)で実際は変わります。 主要野菜については一度、自店で実測してください。 仕入れ重量と下処理後の重量を量って記録するだけの作業で、 自店専用の可食部率テーブルが手に入ります。 成分表の使い方は食品成分データベースの使い方をご参照ください。

3. 歩留まりを改善する3つの道

  • 切り方の見直し:皮の剥き厚、ヘタの落とし方の標準化。 新人とベテランで可食部率が違うのは技術教育の課題
  • 端材の商品化:野菜くずのベジブロス(だし)、大根の皮のきんぴら、 キャベツ外葉のまかない活用。「捨てる部位」を使う設計は原価低減と食品ロス削減の両立
  • 仕入れ形態の選択:カット野菜は単価が高いが廃棄ゼロ・人件費減。 丸のままは安いが歩留まりと下処理人件費を持つ。 「可食部単価+下処理人件費」の総コストで比較する

4. 相場変動と歩留まりの掛け算

野菜は天候で相場が大きく動く食材です。 高騰時には、歩留まりの改善が値上げと同じ効果を持ちます。 レタスが2倍になったとき、外葉の使い方を見直して可食部率を 5%上げれば、実質の原価上昇をその分吸収できます。 また、高騰野菜を歩留まりの良い別の野菜に置き換える メニュー運用(サラダの構成変更等)も、 可食部率テーブルを持っていれば数字で判断できます。 相場対応の全体は食材価格変動への対応をご参照ください。 なお、規格外野菜(曲がり、傷)の仕入れは単価が安い一方、 下処理の手間と廃棄部分が増えるため、 可食部単価で比べると意外に差が縮むことがあります。 安さの理由を可食部率で検算する習慣が、仕入れ判断を確かにします。

よくある質問

Q. 全ての野菜で歩留まりを実測すべきですか?

A. 使用量の多い上位10品目程度で十分です。使用頻度の低い野菜は 成分表の廃棄率で近似し、主力野菜だけ自店実測にする メリハリが実務的です。

Q. 冷凍野菜やカット野菜の歩留まりはどう考えますか?

A. 可食部率ほぼ100%として扱えます。単価比較では 「生野菜の可食部単価+下処理人件費」対「カット野菜単価」で 並べると、正しい判断ができます。

まとめ

野菜の原価は、仕入れ単価でなく可食部単価で考えることから始まります。 成分表の廃棄率と自店の実測で可食部率テーブルを作り、 切り方の標準化と端材活用で歩留まりを改善する。 相場高騰時にこそ、この積み重ねが効いてきます。

肉・魚の歩留まりは肉の歩留まり率魚の歩留まり率をご参照ください。


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