チョコレートの食品表示ラベルの書き方|公正競争規約による分類と名称
この記事の要点(3点)
- ・ チョコレートには公正競争規約による分類(チョコレート、準チョコレートなど)があり、カカオ分等の規格で名乗れる名称が決まる
- ・ 市販チョコを溶かして成形し直す販売でも菓子製造業の許可と一括表示が必要
- ・ 夏場の流通ではブルーム(白化)や融解が起こるため、保存方法と温度帯の表示が品質クレームの防波堤になる
根拠: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、チョコレート類の表示に関する公正競争規約
1. 「チョコレート」と名乗るための規格
板チョコを溶かしてナッツを混ぜ、型に流して固める。 このシンプルな商品でも、名称欄に「チョコレート」と書けるかどうかは自明ではありません。 チョコレート類には業界の公正競争規約(チョコレート類の表示に関する公正競争規約)があり、 カカオ分や脂肪分の規格によって「チョコレート」「準チョコレート」などの区分が定められています。
原料に使ったチョコレートの規格書を確認し、その区分に応じた名称を記載するのが実務です。 ナッツやドライフルーツを混ぜた商品は「チョコレート菓子」「準チョコレート菓子」といった 区分になる場合があります。 規約は業界団体(全国チョコレート業公正取引協議会)が運用しており、 規約の詳細な適用は原料メーカーや協議会への確認が確実です。 公正競争規約という仕組み自体の解説は食品表示ラベルの作り方の関連記事もご参照ください。
2. 必要な営業許可
チョコレートの溶解、成形、包装は菓子製造に当たるため、菓子製造業の営業許可が必要です。 「市販品を溶かして固めるだけだから加工ではない」という理解は誤りです。 生チョコレートやボンボンショコラのような水分の多い商品は、 保存温度帯の管理も含めて保健所と相談してください。 許可取得の手順は菓子製造業許可の取り方で解説しています。
3. 一括表示の記載例
ナッツ入りチョコレート(袋入り)の表示例です。
| 名称 | チョコレート菓子 |
| 原材料名 | チョコレート(外国製造)、アーモンド、くるみ(一部に乳成分、アーモンド、くるみを含む) |
| 添加物 | 乳化剤(大豆由来)、香料 |
| 内容量 | 100g |
| 賞味期限 | 2026.10.18 |
| 保存方法 | 28℃以下の涼しい場所で保存してください |
| 製造者 | 〇〇ショコラ 東京都〇〇区〇〇1-2-3 |
原料チョコレートに含まれる乳成分や乳化剤は、加工後の商品にも引き継がれます。 原料の規格書からアレルゲンと添加物を転記し、漏れなく記載してください。 添加物の書き方は添加物表示のルールで解説しています。
4. チョコレート特有の注意点
温度管理と保存方法表示
チョコレートは28℃前後で軟化が始まり、温度変動でブルーム(表面の白化)が起こります。 ブルーム自体は健康被害を起こしませんが、外観の劣化としてクレームの原因になります。 「28℃以下で保存」のような具体的な温度帯を保存方法に書くことで、 流通後の品質トラブル時に製造者の設定条件を示す根拠になります。 夏場のEC販売ではクール便の利用と、その旨の案内も検討してください。
生チョコレートは期限が別物
生クリームを練り込む生チョコレートは水分活性が高く、 板チョコの感覚での期限設定はできません。要冷蔵で数日から2週間程度の設定が一般的で、 自店の配合での保存試験が前提です。期限設定の考え方は賞味期限と消費期限の違いと決め方をご参照ください。
まとめ
チョコレートの表示は、公正競争規約に基づく名称の区分、原料規格書からのアレルゲンと添加物の転記、 温度帯を明記した保存方法の3点が中心になります。 生チョコのような高水分の商品は別の食品と考えて期限を設定してください。
原価計算と価格設定は手作りお菓子の適正価格の決め方で解説しています。
参照法令: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、チョコレート類の表示に関する公正競争規約、食品衛生法
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