アイスクリーム類製造業許可|ジェラート店開業の制度設計


この記事の要点(3点)

  • ・ アイスクリーム類製造業はアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓を製造する許可。カップ詰め販売や卸売に必要
  • ・ 店頭でソフトクリームやジェラートを盛り付けてその場で提供する形は飲食店営業で扱われるのが一般的。業態設計が許可を決める
  • ・ 乳を扱うため殺菌工程と器具の衛生管理が審査の中心。ミックス(液)を自家調合するか既製品を使うかで難度が変わる

根拠: 食品衛生法、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令

1. 業態で変わる必要な許可

ジェラート店の開業相談では、まず売り方を確定させます。 必要な許可が業態で変わるからです。

業態許可の目安
ショーケースから盛り付けてその場で提供飲食店営業(自治体により喫茶店営業相当の整理)
カップ詰めして冷凍ストッカーで販売、EC、卸アイスクリーム類製造業
仕入れたアイスの小売のみ販売業の届出等(自治体確認)

「店で盛るだけならハードルが低く、詰めて売ると製造業」という構図は、 惣菜やパンと同じです。 開業時は提供中心で始め、人気が出たらカップ販売へ、という段階成長では、 第2段階で製造業許可の壁が来ることを最初から視野に入れてください。

2. 審査の中心は乳の扱い

アイスクリーム類は乳等省令の規格を持つ食品であり、 製造業許可の審査でも乳の衛生管理が中心になります。

  • ミックスの殺菌:牛乳、生クリーム、卵黄等を調合したミックス(液)の 加熱殺菌工程(68℃30分相当等)と急冷の設備・記録
  • フリーザーと器具の洗浄殺菌:連続式フリーザーやディッシャーの分解洗浄
  • 既製ミックスの活用:殺菌済みの市販ミックスを使う設計なら、 自家殺菌の設備負担が下がる。素材の独自性とのトレードオフ
  • 硬化・保管:-18℃以下の急速硬化と保管の設備

牧場が生乳から作る場合は乳処理の許可の世界が加わり、難度が一段上がります。 乳の制度体系は乳・乳製品の表示特例をご参照ください。

3. 表示との接続

製造業許可を取ってカップ販売に進むと、 種類別名称(アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓)の判定と 一括表示の作成が必要になります。 乳固形分と乳脂肪分の計算は配合設計と一体であり、 「アイスクリーム」を名乗りたいなら乳固形分15%以上、乳脂肪分8%以上の 配合が前提です。 表示の詳細はアイスクリーム類の食品表示ラベルの書き方で解説しています。

4. 移動販売と催事の論点

キッチンカーでのソフトクリーム販売、夏祭りのかき氷。 移動型の氷菓提供には露店・臨時営業の枠組みや 自動車営業(キッチンカー)の基準が関わり、 提供できる品目やその場での仕込みの範囲に制限が付くことがあります。 「店舗ではできることが、車ではできない」場合があるため、 出店計画は出店地の保健所基準で確認してください。 キッチンカー全般はキッチンカーの営業許可で扱います。

よくある質問

Q. ジェラートショップの営業許可だけでECは始められませんか?

A. 提供中心の飲食店営業ではカップ詰め流通は扱えないのが原則です。 EC販売にはアイスクリーム類製造業の許可施設での製造が前提になります。 保健所に業態拡張の相談をしてください。

Q. かき氷専門店にも製造業許可が必要ですか?

A. 店内でその場提供するかき氷は飲食店営業の範囲が一般的です。 シロップの瓶詰販売や氷菓のカップ販売に踏み出すときに 製造業側の許可が問われます。

まとめ

アイスクリーム類製造業は「詰めて流通させる」段階で必要になる許可です。 提供中心か販売中心かの業態設計を先に固め、 乳の殺菌管理という審査の中心に備える。 種類別名称の配合設計まで含めて、開業前に全体像を描いてください。

冷凍流通の表示は冷凍食品の食品表示ラベルの書き方もあわせてご参照ください。

参照法令: 食品衛生法、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令


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