ジャムの食品表示ラベルの書き方|名称のルールと内容量表示


この記事の要点(3点)

  • ・ ジャムには日本農林規格(JAS)に由来する名称の使い分け(ジャム、マーマレード、ゼリー)があり、「ジャム類」としての表示ルールが確立している
  • ・ 瓶詰ジャムの製造販売には、製造方法に応じて密封包装食品製造業等の営業許可の要否を保健所に確認する必要がある
  • ・ 内容量は計量法の特定商品として重量(g)表示が必要で、表示量と実際の量の誤差には法定の許容範囲がある

根拠: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、計量法、ジャム類の日本農林規格

1. 「ジャム」と名乗れる条件

手作りの果実加工品を販売するとき、名称欄に何と書くかで最初に迷うことになります。 ジャム類には日本農林規格(JAS)があり、 果実などを糖類とともにゼリー化するまで加熱したものを「ジャム類」とし、 その中で柑橘類の果皮を使ったものを「マーマレード」、 果実の搾汁を原料とするものを「ゼリー」、それ以外を「ジャム」と区分しています。

一括表示の名称欄には、この区分に従い「いちごジャム」「マーマレード」のように 内容を表す名称を記載するのが基本です。 糖度が低くゼリー化が弱いものを「フルーツソース」「フルーツスプレッド」として販売する例もあります。 この場合はジャムを名乗らないため規格の制約は受けませんが、 名称が実態と合っていることが前提です。

2. 必要な営業許可

ジャムの製造販売に必要な許可は、製造方法と包装形態によって変わります。 2021年6月施行の改正食品衛生法で密封包装食品製造業という許可業種が設けられ、 瓶や缶に密封して常温流通させる食品の製造がその対象とされました。 ただし、ジャムのように水分活性や pH の条件によっては対象から外れる場合があり、 自治体によって運用の細部が異なります。

菓子製造業やそうざい製造業の許可施設で製造できる場合もあるため、 「瓶詰ジャムを常温で販売したい」という計画を持って、 製造を始める前に管轄保健所へ相談することを推奨します。 許可制度の全体像は食品の営業許可制度(2021年改正)の解説をご参照ください。

3. 一括表示の記載例

いちごジャム(瓶詰150g)の表示例です。

名称いちごジャム
原材料名いちご(国産)、砂糖、レモン果汁
添加物ゲル化剤(ペクチン)
内容量150g
賞味期限2027.1.18
保存方法直射日光を避け常温で保存。開栓後は要冷蔵(10℃以下)
製造者〇〇ファーム 長野県〇〇市〇〇1-2-3

ジャムは計量法の特定商品に該当し、内容量はグラム単位の重量で表示します。 表示した量より実際の量が法定の許容誤差を超えて少ないと計量法違反になるため、 充填時は風袋(瓶の重さ)を除いた中身の重量を計って詰めます。 開栓後の取り扱いが変わる食品なので、保存方法欄には開栓後の条件も併記するのが実務上の定石です。

4. ジャム特有の注意点

糖度と保存性の関係

ジャムの保存性は糖度に大きく依存します。 伝統的な高糖度ジャム(糖度65%程度以上)は常温で長期保存できますが、 近年人気の低糖度ジャムは水分活性が高く、同じ感覚で期限を設定すると危険です。 低糖度品は要冷蔵にする、賞味期限を大幅に短くする、殺菌条件を強化するなどの対応が必要になります。 期限設定の考え方は賞味期限と消費期限の違いと決め方で解説しています。

脱気殺菌とボツリヌス対策

瓶詰は空気を抜いて密封するため、酸素のない環境を好む菌への対策が問題になります。 ジャムは糖度と酸性度が高いため リスクは低い食品とされていますが、 低糖度化や減酸レシピはこの前提を崩します。 レシピを変えるときは、殺菌条件と保存条件をセットで見直してください。

まとめ

ジャムの表示は、JASに由来する名称の使い分け、計量法に基づく重量表示、 開栓後を含めた保存方法の記載が特徴です。 営業許可は製造方法によって密封包装食品製造業などに分かれるため、保健所への事前確認が安全です。 低糖度レシピでは保存性の前提が変わることに注意してください。

原材料費から販売価格を組み立てる方法は手作りお菓子の適正価格の決め方をご参照ください。

参照法令: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)、計量法、ジャム類の日本農林規格、食品衛生法


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