ビタミン・ミネラルの表示|任意表示の様式と強調の基準


この記事の要点(3点)

  • ・ ビタミン・ミネラルは任意表示の栄養成分。表示する場合は義務5項目に続けて記載し、栄養素等表示基準値に占める割合の併記もできる
  • ・ 「鉄分たっぷり」「ビタミンC豊富」の強調には基準値(栄養素等表示基準値の一定割合以上)を満たす必要がある
  • ・ 定型文の機能表示をしたければ栄養機能食品の枠組みを使う。含有量の強調と機能の表示は別制度

根拠: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)

1. 書く場所と書き方の様式

ビタミンやミネラルを栄養成分表示に載せる場合、 義務5項目(熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量)の後に続けて記載します。 「カルシウム 200mg」のように成分名と量を書き、 必要に応じて栄養素等表示基準値(1日当たりの摂取目安として 定められた値)に占める割合を併記できます。

この様式の順序は固定で、義務項目の前や間に任意成分を挟むことはできません。 鉄、亜鉛、カルシウム、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンDなど、 食品表示基準の別表に掲げられた成分が表示のルールを持っています。

2. 強調表示の基準

「カルシウムたっぷり」「鉄分豊富」のような強調には、 栄養素等表示基準値に対する割合ベースの基準があります。 高い旨の強調(豊富、たっぷり)と含む旨の強調(源、入り)で 要求される割合が異なり、食品100g当たり、100kcal当たり等の 複数の判定方法が定められています。

実務の要点は2つです。 第一に、強調したい成分の含有量を計算または分析で正確に把握すること。 第二に、その値が基準値表のどの水準を満たすかを判定してから表現を選ぶことです。 「なんとなく多そう」での強調は食品表示基準違反になります。 強調表示の体系は栄養強調表示のルールをご参照ください。

3. 含有量の表示と機能の表示は別制度

「ビタミンC 100mg配合」は含有量の事実表示、 「ビタミンCは皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です」は機能の表示です。 後者の定型文を書くには栄養機能食品の枠組み (含有量が上下限基準内、注意喚起の併記等)が必要になります。

この線を越えて、栄養機能食品の要件を満たさずに機能を書けば、 食品表示基準や健康増進法の問題になります。 含有量までで止めるか、栄養機能食品として設計するか。 商品企画の段階で決めてください。 枠組みの詳細は栄養機能食品の表示ルールで解説しています。

4. 計算実務の注意点

調理と保存による損失

ビタミンCのような水溶性ビタミンは、加熱と水さらしで大きく減少します。 生の材料の成分値で計算した含有量が、 加熱後の製品に残っている保証はありません。 成分表の「ゆで」等の調理後収載値を使う、 強調するなら製品での分析を行うなど、 損失を織り込んだ根拠づくりをしてください。

強化剤を使う場合

栄養強化目的のビタミン・ミネラル剤の添加は、 添加物表示の免除対象になる場合がありますが(一部食品を除く)、 栄養成分表示には強化分を含めた実際の含有量を書きます。 強化剤の規格書にある純度と安定性のデータが計算の根拠になります。 添加物免除の枠組みは添加物の用途名併記ルールをご参照ください。

よくある質問

Q. 「1日分のビタミンC」という表現は使えますか?

A. 栄養素等表示基準値の100%以上を含む事実があれば使える表現ですが、 調理損失や保存中の減衰を織り込んだ根拠が必要です。 基準値との対応関係を計算書で示せる状態にしてから使ってください。

Q. 野菜ジュースの「1日分の野菜」とビタミン表示は同じ制度ですか?

A. 別です。「1日分の野菜」は野菜摂取目標量(350g等)を基にした訴求で、 栄養素の基準値制度とは異なります。どちらも根拠と誤認防止の観点で 景品表示法の規律を受けます。

まとめ

ビタミン・ミネラルの表示は、義務5項目に続ける様式、 基準値割合による強調の判定、機能表示との制度の線引きで構成されます。 水溶性ビタミンの調理損失まで織り込んだ根拠を持ち、 含有量の事実と機能の主張を混ぜないことが実務の規律です。

栄養成分の計算は栄養成分表示の計算方法をご参照ください。

参照法令: 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)別表(栄養素等表示基準値)


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